上海日本人学校 高等部 SJS Senior High School

【最優秀賞】日中国交正常化記念企画作文コンクール

 公益社団法人 日本中国友好協会(日中友好協会)が主催する日中国交正常化記念企画作文コンクールにて、本校3年生の関本美愛(せきもと みあ)さんが最優秀賞を受賞しました。日本全国および海外から応募があった中での最優秀賞受賞であり、日本・上海での体験を踏まえて日中の未来について書かれた素晴らしい作文でした。以下に全文を掲載いたします。関本さんおめでとうございます。

 

「歴史を乗り越えて、現代に生きる」 

中国上海市 関本美愛さん

今年、日本と中国が友好関係を結んで50年という節目を迎える。この歴史的瞬間に立ち会えるのはとても光栄だ。だがこの節目を喜ぶだけでは無く、過去を振り返る重要な年と意識することが必要である。

 現代の私たちの関係に大きな影響を与えてきた日中戦争は過去を振り返る為に避けられないテーマである。日本人と中国人の感覚・価値観の違いという視点からお互いの国の戦争をどのように振り返るかということが重要だ。中国では日中戦争のドラマは数多く放送され注目される機会が多い。しかし、日本では私の祖父母の時代には日中戦争のドラマがよく放送されていたと聞いているが、私自身は今まで見たことも聞いたこともない。それ故、私は日本と中国の間で日中戦争の関心度合いに差があると感じた。日本にとって戦争をした歴史は決して忘れてはいけない事実である。どんな理由があろうとも人を蔑ろにしたり、殺めたりすることは許されない行為だ。日中戦争で日本は中国に辛い経験をさせ、同じく日本でもこの戦争に苦しめられた人がいて、お互いに傷を負い悲しい経験をしたことを決して忘れずに誠実に向き合っていく必要がある。

中国と日本は地理的にも近く、はるか昔から交流が盛んに行われて来た。漢字は日本の文化に深く根付いており、日本人は多くの中国の歴史や文化を共有してきた。私はそのような中国を古くからの友人のように思う。どんなに親しい友人でも、何かしらの問題が起こることはあると思う。多くの人はそういう問題を苦難と捉え逃げ道を探す。しかし、私は問題が起こるということは、問題を乗り越えて相手と関係をより強く深くするチャンスなのだと考えている。だからこそ、次の50年間は、お互いの幸せを願える親友のような関係になれると信じている。そして、これからも中国の方々と交流をして、より多くのことを学び合い、日中の歴史を踏まえて、そのような関係性を築くことができるよう努めたい。