上海日本人学校 高等部 SJS Senior High School

校長挨拶

ご あ い さ つ

 

上海日本人学校高等部

校長 雨海 尚雄

 

上海日本人学校高等部ホームページをご覧いただきありがとうございます。

本校は「世界唯一の日本人学校高等部」として2011年に開校しました。「志を高くして自ら学ぶ国際人を育成する」という教育目標のもと、別掲の「高等部グランドデザイン」に基づきグローバル・ダイバーシティ人材の育成を目指して、「国際都市上海の地にあること」「少人数であること」「領事館・商工クラブ・12の協力大学による支援」の、3つの利を生かした特色ある教育活動を行っております。

今年度は54名の新入生を迎え、計151名で新年度のスタートを切りました。この生徒数はコロナ禍前よりも増加しております。多くの方々に本校の良さを認知していただいた結果であると考えております。今後も丁寧な個別対応等の良さを見失わないように注意をしながら、「考える機会の保証」「個々の学力のステップアップ」「上海立地を活かした語学力の強化」「課題発見解決能力の醸成」「プレゼンテーション力育成」「ポートフォリオによる積み重ね」等の課題に積極的に取り組んで参ります。

確かに、在外教育機関であることから、日本国内の学校にあって本校にないものもあります。しかし、ここでなくてはできないものもたくさんあります、その良さを十分活用していきたいと考えています。

また、3月に卒業しました10期生40名は、全員進学先が決定しました。協力大学12大学とコンソーシアムを結んでいる等の恵まれた条件はありますが、一人一人が大変な努力をされた結果であると思います。この様に在外の地にありながら、次のステップを確実に保証している学校であることも本校の誇るべき特徴であります。

さて、昨年度まで、感染対策上の必要性から、多様な生徒が集う国際理解教育活動等の触れ合いを基盤とした集団的な活動や体験的な活動は制限されてきました。今後は、その機会を取り戻し、多様な他者との関わりの中で、自分と異なる感性や価値観、考え方に多く触れる機会を増やし、協働的な学びを促進してまいります。

単にコロナ禍以前の姿に戻るのではなく、これまで制限されてきた学校教育活動のうち真に必要なものを回復させるとともに、ICT環境の下で生み出されてきた多様な教育実践の工夫を取り入れるなどして、いわば新しい学びの在り方へと進化を図っていきたいと考えます。

現下の情勢は、科学技術の加速度的な進化により社会構造や雇用が著しく変化すると共に、未曾有の災害など、自然環境までも予測を超えた変化に見舞われております。生徒たちには、この様な時代を逞しく切り拓く力を付けるため、SDGsの視点に立ち、自ら課題を発見し、多様な他者と協働で試行錯誤しながら課題を解決していく力を身につけてほしいと思います。

我々教職員は、このような時代のニーズにも応え、「志を高くして自ら学ぶ国際人を育成する。」という本校教育目標の実現に向け、予測困難な情況にあっても未来に生きる生徒たちと共に、歩みを進めてまいります。

結びに、本校は、在上海日本国総領事館、上海日本商工クラブをはじめとした在上海日本人社会の皆様、そして協力大学コンソーシアム加盟12大学、また上海市当局や多くの連携現地校等、たくさんの方々のご支援・ご助力があって成り立っている学校です。皆様方のお力添えに心より感謝申し上げるとともに、益々のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

                                            2023年4月吉日